インプットの極意とは?インプットの達人樺沢紫苑先生に学ぶインプットの全て【決定版書評】
樺沢紫苑「インプット大全」サンクチュアリ出版
https://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1094.html
今回は、精神科医である樺沢紫苑先生の書かれた「インプット大全」の中から、この本の骨子となる3つの観点から解説していきます。
最初に示します。
それでは、順に解説していきます。
目次
1. インプットは「量」より「質」を重視
樺沢先生は、インプットの大前提として、「量」より「質」を重視すべきであると説いています。
しかし(私を含めて)多くの人々は「量」に流れがちです。例えば「速読」「多読」というのがよい例ですね。たくさん読めば賢くなれるという考え方に支配されがちです。
しかし、自己成長という観点から考えると、内容の薄い本を多く読むよりも、質の高い本を少なくても読む方が、より成長できるのではないか、と述べられています。
著書では、質の高い本を「ホームラン本」、内容の薄い本を「三振本」と呼んでいます。前者は、非常に気づきと学びが多い、座右の書にしたい密度の高い本、後者はたいした学びが得られない内容の薄いハズレ本のことを示しています。
どちらを読むべきかというと答えはホームラン本です。本当に自分にとって必要で、気づきやTO DOをたくさん得られるホームラン本を1冊しっかりと読み込んだ方が、自己成長は大きいのです。
また、必要とする時間も、「ホームラン本を1冊読む」ほうが、はるかに少なくて効率がいいのです。
まず「質」を確保し、その上で「量」を増やすことが重要です。
2. 記憶にとどめて、初めてインプットが成立
インプットとは「情報の入力」です。脳の中に情報が入って、とどまっていなければ、「入力(インプット)」ではありません。
インプットとは、脳の中に情報が入って(IN)、情報が置かれる(PUT)ことを示しています。つまり、情報が定置されてはじめてインプットなのです。
私たちはこのことを忘れ、多読に流れがちですが、果たしてその内容は頭の中に入っているのでしょうか。恐らく大部分はそのまま抜けていったと思います。インプットの定義について、自戒の意味を込めて、もう一度確認しておきたいところです。
内容を再生できてはじめてインプットできていると言えます。
3. アウトプット前提で行こう
効果的なインプット、すなわち脳の中に情報をとどめるためには、複数回のアウトプットを行うことが必要であるとされています。
実際に、同著者の「アウトプット大全」では「2週間に3回以上のアウトプット」が必要であると書かれています。
しかし、何度もアウトプットする暇がない人が大部分であると思われます。それに対して樺沢先生は、次のように述べます。
実は、何度もアウトプットしなくても、一発のインプットで記憶に残す、そんな超裏技のインプット術があります。それは、「アウトプット前提でインプットを行う」ということです。
どういうことでしょうか。
ロンドン大学の研究では、あるものを暗記する実験で、最初のグループには「テストをするので暗記してください」、もうひとつのグループには「この後他の人に教えてもらいますので、記憶しておいてください」と伝えたそうです。テストをした結果、後者の方が高い得点をとりました。
テストも教えることもアウトプットですが、教えることの方が圧倒的に心理的プレッシャーの大きいアウトプットです。
つまり、心理的プレッシャーがかかるアウトプットを前提にすることで、脳が活性化し、学びの効率が上がるのです。
「アウトプット前提」でインプットすると、学習効果が高いことが分かりました。それではなぜ、「アウトプット前提」にすると、記憶に残りやすくなるのでしょうか。
樺沢先生は、次のように指摘します。
それは、心理的プレッシャーがかかり緊張状態に陥ると、脳内物質ノルアドレナリンが分泌されるからです。ノルアドレナリンが分泌されると、集中力が高まり、記憶力、思考力、判断力が高まります。
つまり、ノルアドレナリンによって、脳のパフォーマンスが向上するというわけです。これは興味深いですね。
確かに私も同じような経験があります。これは、ノルアドレナリンによる作用だったのですね。
まとめです。
- まず「質」を確保し、その上で「量」を増やすことが重要
- 内容を再生できて初めてインプットしていると言える
- アウトプットを前提としてインプットすることで、ノルアドレナリンが分泌され、脳のパフォーマンスが向上する
最後までお読みいただきありがとうございました!
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