人生の目的とは何か?本田健「人生の目的」に学ぶ人生の考え方【決定版書評】

2022年8月9日

本田健「人生の目的 自分の探し方、見つけ方」大和書房

人生の目的とは何か?今回は、この大きな問題に立ち向かうべく、本田健さんの書かれた「人生の目的」から学んだことを整理していきます。

意識を向けたものが手に入る

人生では、その人の意識が向いたものが手に入るようになっています。

つまり、人生とは辛いものだと考えていれば本当に人生は辛くなる(辛い出来事がたくさん起こる)し、逆に、人生とは楽しいことの連続だと考えていれば、人生は楽しいことの連続になります。

これは「引き寄せの法則」とも関連があります。人は、意識的、あるいは無意識的に、その人の望むものを引き寄せているということです。

何を選択するかで人生の様相は変わってきます。

あなたの大事にしたいことはなんですか?

ストレスがないときは、一生やってこない

私たちはストレスがない人生を生きれればと願いがちですが、それは非現実的な願いです。

なぜなら、なんの痛みも苦しみもなく、問題を一度も経験しない人はいないからです。

著者は言います。

いままで幸せな人たちにたくさん会ってきましたが、彼らは完璧な人生を送ったから幸せになったのではなく、不完全な状態のなかに幸せを見出したから、幸せになったのだということを知りました。

逆に言えば、人生を通じてストレスのない時期というのはないのです。

すなわち、人生で幸福になりたいと思うのであれば、ストレスのない状態を目指すのではなく、ストレスの存在を認めた上で、現在にフォーカスしていくことが大切であると言えます。

いろんな心配事を抱えながらも毎日を生きていく。それが普通の人生なのだということを肝に銘じておきたいところです。

人の望みか、自分の望みか

本田さんは指摘します。

私たちの不幸の原因は、自分が理想とする人生を生きていないことにあります。

自分の嫌いなことばかりしていると、不満や倦怠感でいっぱいになり、人生に対して消極的になります。

その上、人とお金を引き寄せるどころか、どんどん離れていってしまうのです。

とはいえ、自分の好きなことやしたいことがあっても、周りからのプレッシャーを感じてなかなか行動に移せないのも事実です。

しかし、著者は次のように喝破します。

人生の目的は、あなたが心から望むことをやっている延長線上に現れてきます。なので、いま退屈だと感じる仕事をやっていたとしたら、そこから本当にやりたいことへのシフトは、大切なステップになります。

私たちは自分の望みに素直に生きることができているでしょうか。

かの夏目漱石は、「自己本位」、つまり自分の望み通りに生きるということを探り当てたことで視界が開けたといいます(夏目漱石「私の個人主義」より)。

すぐに、あるいは自分のことばかり、とはいきませんが、私たちはどうでしょうか。

人生の目的は、いつ見つかるのか?

人生の目的は、旅の最中に片田舎で見つかるものではありません。

どちらかというと、日常生活の中で、ふとした瞬間に見つかるものなのです。

それは、私たちが気づくもの、感じるものであって、一生懸命に考えた末に見つかるものではありません。なぜかというと、

人生の目的は、思考の世界にあるのではなく、感情の世界にあるからです。逆に言うと、考えている間は見つかりません。

人生の目的は、一人でいるときよりも、誰かと一緒にいるときのほうが見つけやすいようです。

いずれにせよ、人とつながったときの達成感や感動、ワクワク感が出たときがヒントになるでしょう。

私見を述べれば、人間は社会的動物ですから、社会に貢献していると実感した際に人生の目的を感じ取るのかもしれませんね。

自分の宿命を受け入れる

人生には、宿命と運命があります。このうち、宿命は自分では変えられないもので、運命は自分で変えられるものです。

つまり、宿命を受け入れた上で、変えられる運命を変えていくのが人生というわけです。

このことは昔から言われており、かの神学者ラインホールド・二ーバーの祈りの言葉にも表れている通りです。

神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

https://www.seig.ac.jp/edu/inori.htm より引用

自分の宿命を100%受け入れるのが最初のステップです。宿命を受け止めて、そこから人生を変えようと決めると、いままでとは違った景色が見えてきます。

そこからどうするかが、私たちの運命の領域です。

あなたの未来は3つの選択で決まる

ここで、本題に入っていきます。本田さんは言います。

あなたは自分の望む人生を生きることができます。

100%望むものになるかどうかは保証できませんが、まったく意図しないよりも、選択次第では、よりあなたの望む方向に変わる可能性があります。

それには、3つのことが必要です。ものの見方を変えること。感じ方を変えること。行動を変えることです。

この3つをやれば、あなたの人生はいままでとまったく違うものになります。

私たちの未来は、感情・思考・行動で決まるということです。

これはとても手軽である一方、日常の全てで実践すべきことでもあるのです。

感情・思考・行動が変われば結果が変わり、その結果に対する感情・思考・行動も変わっていく。

あるいは、最初は変化がなくても、感情・思考・行動が変われば現実が変わるというのは事実です。

なぜなら、私たちの現実の捉え方は現実そのものではなく、私たちのものの見方(パラダイム)によって培われているからです。

このあたりの議論に関しては、下記記事をご覧下さい。

https://shigemoo.com/2022-07-30-151303/

執着を手放す

まとめともいうべき最後の項目です。

人生の達人の生き方は、自分のところにやってくるものを拒まず、100%受け入れることです。そして自分の人生から去っていくものを追わず、期待せず、ただ淡々と生きることです。

人生の目的は、あなたが心から大切だと思うものを大事にすることによってしか実現できません。また、それは、目の前に来たものを大事にするということでもあります。

それがポジティブなものでもネガティブなものでも、来るものを拒まず受けとめること。去っていくものは、追いかけようとはせず、ただただきれいに手放すこと。

この2つができると、あなたは幸せに近づけます。

つまり、執着を手放せば幸福になれるということです。そうはいっても、なかなか普通の人間には成しえないわざだと思います。

いかに執着を手放すか、それは「次があるさ」「何とかなるさ」という楽観的な暗示が鍵となります。

まとめ

以下、まとめです。

  1. 意識を向けたものが手に入る
  2. ストレスがないときは一生やってこない
  3. 自分の望みを叶えているか
  4. 人生の目的は、他の人といるときに見つかる
  5. 宿命を受け入れる
  6. 感情・思考・行動で未来が決まる
  7. 執着を手放す

最後までお読みいただきありがとうございました!